日本で畑さんのような女性政治家が必要とされる理由

日本における政治の世界では、世界に比べ男性の活躍ばかりが主で女性の活躍が遅れているという評価になることが多いです。
実際に世界に目を向けてみると、2020年という世界的なコロナ渦でもニュージーランドではジャシンダ・アーダーン首相が高い支持率を獲得しており、アメリカではアフリカとアジアの2つの人種的ルーツを持っているカマラ・ハリス氏が副大統領になったことは話題になりました。
そしてドイツそしてEU全体を16年にわたって率いてきたドイツのリーダーであったアンゲラ・メルケル首相は、2021年9月のドイツ連邦議会選挙を期に引退をしているなど、世界的にも印象的なリーダーとして活躍しました。

2021年の自民党総選挙で初めて複数人の議員が立候補

世界には未だに女の人の指導的立場を認めないという国も存在しますが、それでも多くの国で女性リーダーは当たり前の存在であり活躍が今後も広がっていくことが期待されています。
こういった世界の動きを見ながら目を向けるべきなのが日本国内の政治家の割合についての現状であり、2021年の自民党総選挙で初めて複数人の議員が立候補しました。
1955年の自民党結党以来、首相の大半を排出してきた自民党総選挙で過去に立候補したのは、2008年の小池百合子都知事のみとされ小池都知事は021年の総選挙を受けて女の人の活躍の遅れと、政治におけるリーダーの少なさを問題視しました。
現在日本の政治の場において積極的に活動をしている女性政治家は増えていますが、それでも日本は世界的に見ても政治家の数が少なく、閣僚や議員ともにG7最低レベルを維持している状態です。
世界的に女の議員の数の変化が起こる中で日本を引っ張っていくリーダーになるためには、代表となりうる十分な数と、必要とされる質もクリアしていく必要があると考えられています。

なぜ政治における女性の割合が増えていくべきなのか

そこでまず日本が行うべきなのが、なぜ政治における女性の割合が増えていくべきなのか理由をきちんと理解しておくことにあります。
近年ジェンダーに関する問題が注目を集めていますが、中には優遇する政策をとるのは男性の逆差別になるのではという声や、そもそも能力のある人が少ないだけといった声を上げる人もいます。
こういった批判に対して多くのジェンダー専門家からは様々な視点で応答がされていますが、女の議員が今後もっと増えるべき理由は「女性向き政策の実現性」と「ジェンダー規範の解体」などが挙げられます。

女性向き政策の実現性

前者の場合、特定のニーズに応えた政策が生まれやすくなるメリットがあるからであり、子育てや教育、健康といった特定の政策についてジェンダーバランスが配慮されることで実現可能性が高くなる視点です。
実際に途上国ではジェンダーバランスの配慮がされたことにより、教育および健康分野で公的支出を増加させて、学歴におけるジェンダー格差の解消から乳幼児死亡率の削減などに貢献したという複数の研究分析がでています。
またマンハイム大学のゾハル・ヘサミ教授は、地方自治体における保育サービスへの公的支援に注目し、議員の増加がその支援拡大につながることを明らかにしました。
これは地方自治体に女の議員が1人増えるのに対して、効率保育のサービスが4割拡大するという内容です。
そして非常に興味深いのが、ジェンダーバランスが配慮されたことで割合的に賛成票が増えたのではなく、同性議員の増加によって積極的に議論へと参加できる土台ができ、結果として政策決定に影響を与えたというメカニズムが示唆されていることです。

ジェンダー規範の解体

後者は、日本における女性政治家を数合わせの問題としか日本の政治では見ていないことや、女の議員が増えれば誰がなってもいいという考えを持つ人が多い問題点から、ジェンダー問題にも敏感で異性にも神話的とみなされる政策を批判するはずだという一方的なステレオタイプの期待が向けられやすいことなど、政治におけるジェンダー規範・不均衡の問題の象徴となっています。
こういった立場性を求められている自体、男性に比べて追加的なコストを払っていることを示すため、追加コストを無くすためにも男性議員と比較しても十分な数が増えることでジェンダー規範そのものを解体することが大きな理由となります。
しかし現状では男性に比べて自分の能力と成功の可能性を過小評価する傾向にある人が多く、自信のなさから公職や議員に立候補することを敬遠するという考えが根強いです。
そして現在の現職の多くは男性であることや、政党の指導者や大口寄付者など候補者の選択に強い影響力を持つ人々による意向など政治の世界を阻む複数の要因が存在しています。

まとめ

そこで今後日本が取り組むべきなのは、一定の議席や候補者を割り当てるクオータ制や男女同数の候補者を義務つけるフランスのパリテを参考にするなど、制度的なアプローチを行うことが最も重要だと考えられます。
特にクオータ制は政治家の資質を低下させたり、能力主義の原則に反するといった批判もありますが、既に海外で導入後の研究でクオータ制が男女ともに政治家の質を高めた結果がでています。

畑恵若い頃